2013年02月07日

父子家庭が男を救う

41NwiXy7k2L__BO2,204,203,200_PIsitb-sticker-arrow-click,TopRight,35,-76_AA300_SH20_OU09_今借りている本です(^^)

子育てや家事のことを、妻と離婚して二人の子どもを育てた新聞記者が、自身のことや、同じように父子家庭で子育てしている人からも話を聞いて、記者の目から書いている本です。

男性にも女性にも読んでほしいと思うし、知ってほしいと思います。

第Ⅴ章 「父子家庭からの問い」のインパクト
 から紹介します…
illust306

…父子家庭の生活の実態が世間に知られることは、ほとんどない。父親は「欠損家庭」であることを、できるだけ知られまいとするからである。世間の白眼視、無理解や差別から身をかわして子どもを守り、家事と仕事を両立させて必死に生きているのである。…

父子家庭

 この国の“知られざる少数民族”、それが父子家庭である。全国の4180万世帯中、母子世帯は79万で1.9%であるが、父子世帯は母子世帯のさらに5分の1の16万にすぎない。

 父子家庭の営みは、即、困難である。妻に家事、育児、介護のすべてをまかせて男性が会社の仕事に全力投球することが当然とされてきた企業論理優先の社会だからだ。男性が一人で家事、育児と会社の仕事を両立させる生き方に対する無理解、偏見、白眼視はすさまじいものがある。

 妻との死別組より、離婚の結果の生別組の方が白眼視がひどく、失格会社人間、妻に逃げられた失格男というらく印を押され、アイデンティティー崩壊の危機に直面する。また、女性の母性のみが子どもを養育するという“母性神話”が根強い社会では「男が子育てなんて」という思い込みが当の父子をも支配していて、妻=母を失った喪失感と惨めさに追い打ちをかける。福祉の網の目からも漏れがちな日陰の存在で、実態が知られることも少ない。…

父子家庭5年目 ―家事する男が問う―

人々から理解されることの少ない生活の型。その日々から、いやおうなしに、社会のゆがみがみえてきた。

 一番大きな発見は、男には「家事をする男」と「家事をしない男」の二種類しかなく、社会の仕組みが「しない男」の安逸を保障する上でいかに都合よくできているか、ということだ。
※安逸(あんいつ)=何もせず、ぶらぶらと遊び暮らすこと。

 「する男」は家事と仕事を両立させて必死に生きながら、社会の枠からはみ出した奇異な存在として好奇の視線を浴びることがしばしばだ。

 しかし、その固定観念の枠こそ打ち壊すべきものであり、男が「するヒト」に変わることが社会のゆがみを是正するのにつながると思う。

延々と続く家事

 子育てを伴う家事のしんどさは、待ったなしで限りないと思えるほど続くことにある。主婦、そして80万世帯の母子家庭、16万世帯の父子家庭の女たち、男たちが共に味わっているしんどさだ。

 社会生活が成員すべての共同作業で営まれている以上、会社人間であることに居直る大多数の「しない男」の安逸は、他の人々の犠牲の上に成り立っている、と私は考える。

 「する男」に共通のしんどさは、それだけにとどまらない。布団を干していると、通行人の好奇の視線を感じる。学校の父母会に出れば、女性の大群の中で一人、孤立する。

 「しない男」たちからは「そんなに家事が大変なら嫁さんをもらえばいい」といささか見当違いの言葉も浴びせられる。

 その言葉が「しない男」の頭の中で家事マシンと位置付けられている主婦を“もらって”、自分らの仲間に戻れということを意味する言葉であることを、「しない男」は理解しない。…
illust306

母性も父性も、性別に関係なく一人ひとりの人間の中にあるものなのです。
ありのまま受け入れて慈しむ母性と、良いこと悪いことなどのルールを教える父性。
(もちろん、暴力や説教は不要!わかりやすく教えるだけでいい)
papa

ほかに「ひとり親でも子どもは健全に育ちます」という本も読みましたが、まさにそのとおりで、両親がそろっていなければダメとか、ひとり親だからダメとかではない。

いろんな本を読んでいて思うこと…

「○○でなければならない…」という、人々の思い込みや決めつけが、一番ダメ!

これが人生を生きにくくする諸悪の根源になっていると思う。
 
まさに、「マイナスの自己暗示」…